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親を頼れなかった子どもの声 〜 当事者が必要だった支援とは? 〜

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

この記事について

いつもarigatobankアプリで様々な企画へ支援をくださり、ありがとうございます。今回は皆さまから頂いた支援をもとに活動する支援団体の1つ、セーブ・ザ・チルドレンの活動現場を見学した様子をお届けします。「夏休み子どもの食応援ボックス」の重要性と、この支援を利用する家庭や子どもたちが抱える問題についてお伝えいたします。

「夏休み子どもの食応援ボックス」とは?

セーブ・ザ・チルドレンが夏と冬の年に2回、子どもたちの食の改善を目的として行う取り組みで、2023年で4年目を迎えます。経済的に困難な状況にある世帯*を対象に「夏休み(冬休み)子どもの食応援ボックス」として食料品などを提供しており、2023年の夏は5,000世帯へ約30品目の食品を届けるため、6月から7月に3週間ほどをかけて倉庫での梱包作業が行われました。梱包作業の現場を見学しながら、事業について伺いました。

―― 支援品はどういったものでしょうか?

「お米や麺類など主食になるもの、缶詰やレトルト食品などおかずになるもの、お菓子など子どもたちが喜んでくれるものなどが入っています。給食がない夏休みの期間に、少しでも助けになればとの思いで届けています。」

―― 5,000世帯分の梱包というのは大変な作業かと思いますが、どのような点に気をつけて作業されているのでしょうか?

「食料のほかに、文房具、支援制度のリーフレットなどもお配りするのですが、1つでも抜け漏れがないよう丁寧に確認をしながら作業をすすめています。また、ワレモノや小物は中箱に入れて破損事故がないよう工夫するなど、楽しみに待ってくれている方々へ安全・確実にお届けできるよう配慮しながら梱包しています。」

支援の背景について

―― 今回は申し込みがとても多かったということですが、どういった背景でしょうか?

「過去最多の6,412世帯からお申し込みがありました。申し込み世帯に行ったアンケート*では【物価上昇による賃上げがあったのはわずか4.7%】ということが分かっており、物価上昇に対応できないという事情が考えられます。【長期休暇中に昼食を十分な量とれていない子どもは46.2%】【7割を超す世帯で十分な量の食料を買うお金がない】という結果も出ており、この夏に経済的に困難な世帯の子どもたちが昼食に困るほど非常に困窮した状況に置かれるということが想定されます。」

―― 長期休暇中の食の支援が本当に重要ということですね。ほかに子どもたちが直面する問題はどのようなものがありますか?

「約7割の世帯が【夏休み期間中に日帰りの外出が経済的にできない】」と答えており、経済的な制約によって子どもの体験の機会がはく奪されている状況が明らかとなっています。また、6割以上の世帯が初等中等教育の無償化や現金給付を望んでいます。この問題については、こうしたアンケート結果などをもとに政府提言を行うなど、政府による継続的な支援策に繋がるよう各所へ訴えていきます。」

―― 今年で4年目の事業ということですが、この4年で何か変化はありましたか?

「2020年、新型コロナウイルス感染症拡大への緊急支援として事業を開始し、2022年までのべ17,087世帯の経済的に困難な状況にある子どもたちに食料を届けました。2021年は3,000世帯を対象としていたのですが、回を重ねるごとに想定数を超える申込があり、昨年冬からは対象を5,000世帯に広げました。アンケートでは他にも【6割の世帯が感染症流行前の給与水準に戻っていない】という結果が出ており、経済的に困難な状況にある世帯は、深刻な状況のままであるということが伺えます。」

今後の課題と支援者へのメッセージ

―― 対象を5,000世帯に拡大した経緯があるということですが、事業の継続と拡大において何か課題はありますか?

「今回のように、応募数が募集数を超える場合は抽選でお届けする世帯を選ぶことになり、全ての世帯に支援をお届けすることが叶いません。一方で、支援食品の大半は寄付により賄われていますが、足りない分は購入によるものです。また、5000世帯への発送料だけでも大きな金額となり、とても大変です。そのため、事業の継続と拡大においては資金と食料品の調達が常に課題となります。」

―― さいごに、arigatobankの支援者へのメッセージを頂けますでしょうか。

「子どもたちが夏休みの食事を楽しみだと思って過ごしてほしいという想いを込めて、「子どもの食応援ボックス」を届けています。arigatobankアプリユーザーの皆さまからのご支援は、こうした「応援ボックス」の取り組みを含め、日本と世界の子どもたちのためにセーブ・ザ・チルドレンが行う活動を支えてくださっています。ご支援をありがとうございます。」

インタビュー協力

山田 有理恵 様(パートナーリレーションズ部 法人連携チーム)

支援団体

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
セーブ・ザ・チルドレンは、日本を含む世界120ヶ国で子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織です。100年にわたって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現された世界を目指して活動しています。

団体公式ホームページ 「夏休み子どもの食応援ボックス」紹介動画

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